「マチネの終わりに」 ーその2ー

こんにちは。
昨日書き忘れたというか、書き足りなかったことを書いてみたいと
思ったので書かせてください。
興味のない方はどうぞスルーして、気持玉もいいからね!

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「マチネの終わりに」の主人公は、クラシックギターの天才と
呼ばれる、世界的な音楽家です。しかし、20年の活動を経て、
何かスランプの予兆みたいなものを感じています。

「生きている事と引き替えに、現代人は際限もないうるささに耐えてる。
音ばかりじゃない、映像も、匂いも、味も、ひょっとすると、ぬくもりの
ようなものでさえも。・・何もかもが、我先にと五感に殺到してきては、
その存在を目いっぱいがなり立てて主張している。・・社会はそれでも
飽き足らずに、個人の時間感覚を破裂させてでも、更にもっとと詰め込ん
でくる。堪ったもんじゃない。・・人間の疲労。これは歴史的な、決定的
な変化なんじゃないか?人類は今後、未来永劫、疲れた存在であり続ける。
疲労が、人間を他の動物から区別する特徴になる?誰もが、機械だの、
コンピューターだののテンポに巻き込まれて、五感を喧噪に直接揉みしだ
かれながら、毎日をフーフー言って生きている。痛ましいほど必死に。
そうしてほとんど、死によってしかもたらされない完全な静寂。・・」


もう一人の主人公、小峰洋子はフランスに本社がある通信会社の記者
です。自分から進んで、紛争の続くイラクへ赴き取材をして記事に
しています。蒔野と会ったのは、2度目のイラク行きのまえでした。
治安が前回よりも悪くなり、イラク取材は、各国のジャーナリストの
間でも躊躇されるものでした。しかし洋子は・・   少し置いて。

ここで出て来るのが、トーマス・マンの小説、ビスコンティによる映画
「ベニスに死す」です。小峰洋子の父親の言葉として「ベニスに死す
症候群」
という言葉が使われます。定義として、〈中高年になって
突然、現実社会への適応に嫌気が差して、本来の自分へと立ち返るべく
破滅的な行動に出ることとしています。

蒔野と洋子は共に自分の行動と「ベニスに死す症候群」を重ね合わせる。
トーマス・マンの「ベニスに死す」の主人公アッシェン・バッハは、
芸術と生活との均衡を不断の精神的努力によって保ち続ける人物でした。
そして、彼は古代ギリシャの彫刻のような美少年タッジオに心奪われる。
そのあとを追うことで日常を捨て、やがては破滅へと至る。しかし、
最初はその後の運命など知る由もなかったはずなのでした。

    ルキノ・ビスコンティ「ベニスに死す」パンフレット
KIMG1466.JPG

私はこの本を読む前、ページをペラペラしている時「ベニスに死す」と
言う文字を見つけて少々興奮しました。本も映画も大好きでしたし。


小峰洋子は2度目のイラクで、九死に一生を得る体験をします。彼女の
所属する会社は、バグダッドのビル7階のワンフロアを借りています。
その1階で自爆テロがあり、偶々1階でインタビューをしていた彼女は
テロリストと一瞬目が合い、エレベーターに逃げ込むと同時に爆発があり、
エレベーターの扉が開いた時待っているのは、同僚か、テロリストか・・

その事件の後、彼女はあまり自覚のないままPTSDになり、蒔野にやっと
会える!と、その時、ある人間が間違いを起こし、運命がねじれて行く
のです。なぜすぐに間違いを正せなかったのか、疑いを持たなかったのは
その事件の起こった時期、精神状態も大きく関係していると思いました。

これで終わります。昨日書き残したのは「ベニスに死す」の事でした。
この映画のことは、いつか書けたらいいのだけど。


  毎日、猛暑日です。来週は病院だわ。水分をとりましょうね!


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この記事へのコメント

2020年08月08日 15:00
こんにちは。
ベニスに死す 映画館で見ました。
姉に連れられて見たのですが、子供だったので、よくわからないままでしたが、きれいな少年に恋する中年のことはわかりました。
少年の横縞の服が記憶に残ってます。
今見たら、ずいぶん感じも違うのかもしれません。
かかと
2020年08月08日 16:42
南天さん、こんにちは。
そうそう、少年タッジオはいつも横縞の海水着を
着ていました。心はヨコシマじゃないんだけど、
老人を見る目に憐れみがあり、残酷だなと思いました。
ラストシーンもよく覚えています。
嬉しいコメントありがとうございます。
2020年08月09日 14:08
「ベニスに死す」
小説も映画もよかったですね。
そういえば終末は『コレラ』禍だったような気がしましたが・・(?)
なんか忘れぽくなってきてちょっと不安。
かかと
2020年08月09日 14:58
ひらひらとさん、
「ベニスに死す」観られたのですね。
そうです、ベニスにはコレラが蔓延してたのですね。
でも、観光客には知らされなかった。アッシェンバッハは、
それに気が付き、ポーランドから来ているタッジオの家族に
教えようとするのですね。・・・
おかげで、ありありと映像が浮かんできました。
悲しくも美しい映画でした。
コメント、ありがとうございました。