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zoom RSS 桜の森の満開の下

<<   作成日時 : 2018/03/31 14:40   >>

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こんにちは、京都は夏日が2日続いたりして、洗濯や服装で
悩んだりして大変でしたが、風があったおかげで汗もかかず
桜吹雪の中、気持ち良く過ごせました。

さて[桜の森の満開の下]という、楽しそうな題名につられて、
坂口安吾のこの作品を読むと、えらい目にあいますよ。
読んだ方もいるでしょうが、どうもなかったですか?

 ある峠に居た山賊は、周りの山も谷も全部自分のものだと思って
 います。しかし、満開の桜の下を歩いたら、気が狂ったり何か
 悪い事が起こると信じています。桜の森が怖いのでした。

 その峠に住む山賊は、通りかかった旅人を襲い、身ぐるみ剥いで
 連れの女が気に入ると、女を自分の女房にしてしまい、常に何人かの
 女房をそばにおいていました。 ある日、いつものように夫婦連れを
 襲い、男を殺し、女を自分の女房にしました。しかし、その女は、何も
 恐れず、山賊にいろいろな指示をし、山賊もそれに従います。まず、
 7人ほどいる他の女房を、全員殺させます。

 女はひどく残酷な遊びをします。男もこの女が好きだから、言われる
 とうりに協力します。やがて女は飽きて、都を恋しがり、男もいっしょに
 都に住みます。そこでも女は、恐ろしい遊びをし、山賊は相変わらず
 山賊で、残酷な遊びのために人を襲うのです。

 山賊は、いくら好きな女のためでも、もう人を襲うのはやめて、元の山へ
 帰る決心をします。当然、女とは別れるつもりでいたのですが、女も
 一緒に行くと言います。

 ふたりで元の山へ戻ると、時は春、満開の桜の森が広がっています。
 それでも二人は、満開の桜の方へと歩いて行きます。
 ふと、女の顔を見ると、女は醜い鬼の姿になって、男の首を絞めて
 きます。男が振り払うと、元のきれいな顔になりましたが、花びらに
 まみれて、女はそのまま死んでしまいます。男が触れようとすると
 女の身体も男の身体も、消えてなくなりました。

 後には、花びらと冷たい虚空が張りつめているばかりだった。


女の残酷な遊びをあえて書いてませんが、書くのもはばかれるような
もので、知りたい人は「桜の森の満開の下」で、検索すればすぐ出て
きます。 私の文章でわかりにくいと思われるので、少し、解説を
入れておきます。

安吾は後のエッセイで、東京大空襲の犠牲者を上野の山に集めて
焼いた時、おりしも桜が満開で、ひと気のない森を風が吹き抜け、
逃げ出したくなる静寂が張りつめていたと、記しているのでそれが
この話の原風景でしょう。

山賊と、怪しく美しく残酷な女との幻想的な怪奇物語は、あえて説話
形式の文体で、花びらとなってかき消された女と、冷たい虚空が張り
つめたばかりの花吹雪の中の男の、孤独が描かれている、という事
です。

私はこの小説を読んでから、桜が満開になると思い出してしまい、
罪な小説だと思っています。この小説に限って、似ていると言われる
泉鏡花は知らないけれど、平野啓一郎の「日蝕」のすぐ後に出た
[一月物語]にも似ていると思いました。


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